11/9(木)21:19
朝、ベランダへ出てみると赤とんぼが手すりの淵で羽を休めていた。
こんなに近くてトンボを見るのは久しぶりなので、形がカッコいいなと思ひ、写真と動画に撮ろうと思った。
近づいたら逃げるだろうと思ひながら、部屋からスマホを取って来て、アップで撮ろうとして、近づいても、どれだけ近づいても、微動だにしない。
胴体は真っ赤な赤で、羽は4枚透明の羽が付いていた。
「お盆から飛び続けているので、休ませろ」といふ声が聴こえたと言えば、嘘になる。
しかし、それくらい疲れたのかゆったりしたいのか、マンション最上階からの景色を堪能しながら、物思いにふけっているのかは分からなかった。
赤とんぼの動画を撮っていると、その目線で下を見ると、落ちたら死ぬので、ヒャッとしそうなほどの角度だった。
人間など眼中にないといふ様な悠然とした姿をしていて、別世界に生きている生き物の世界を見た。
人間は地面を歩いているので、だいたい同じ視線になるが、とんぼの視線は、高さがあり、1日中人間と違う視点から見ているのに気付く。
とんぼから人間を見たらどう思うかと考えてみた。
1.地面に這いつくばって、空も飛べないのか?
2.大空を自由に飛べる羽根も付いていないのか?
3.気流への乗り方も知らないのか?
4.なぜ、ここで休んでいるのかの理由も分からないのか?
5.「さっきから、俺様にスマホを向けているのを止めねえか。このボケナスが」
といふことだったのではないかと想像できる。
上記の5件を検討した結果、トンボの方が人間より数段上を行っているといふことになると思ふ。
この結果はしごく当然だと思ふのは、地べたに足を付けて物事を考えるのと、空中を風に任せて飛びながら、考えるのとでは、思考回路に数段の差が出るのは、トンボの目を見れば一目瞭然だろう。
とんぼからしてみれば、人間はでけえ図体して、空も飛べずに恥ずかしいとも思わずに、地べたを這いずり回って、いったい何をしているんだと怒っているのが、胴体の真っ赤な赤に怒りの頂点に達しているのを自分の全身でもって表しているのが分かった。
読者の中には、そんなことはないだろうと思ってしまっている方もいるかもしれないが、「直接、とんぼの目を見てそんなことが言えますか?」と自問して欲しい。
マッスルラボ大森 大森友紀
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