雛鳥の行方

6/25(火)23:42


朝、エレベーターで一階へ降りて、駐車スペースへ歩いているとマンションの反対側で人の話をする声が聞こえてきた。

気が付くと管理人の方が横にいて、話しかけられた。

「困ったなー」を連発されていたので、何が困ったのかと思っていると、鷲掴みしている手の中から産まれて間もないひな鳥が顔を覗かせていた。

どうやら、マンション周りの掃除をしている時に、産まれて間もない雛鳥がよちよち歩きで、車が走っている道路へ出ていこうとしていたようだ。

親鳥等もいないので、そのままにしていたら、車に轢かれていたとのことだ。

やっと目が開いたくらいの巣の中で餌を待っていて鳴くくらいしか出来そうにないので、そのまま道端に放すと、一瞬の内に野良猫に食べられてしまうと言われていた。

「その鳥は燕ですか?」と尋ねると「この顔は雀だと思います」とのことで、安心しきったやふな雛鳥のくりっとした目を見ると「もう、なついているじゃないですか」と声をかけると、掃除が中断されて困っているのか?「困った、困った」と言われて周りを行ったり来たりされていた。


今、考えてみると産まれたてで、まだ、飛ぶことも出来ないのに、なぜ、雛鳥だけで歩道から道路へ歩いていこうとしていたのか?どういふ経緯があったのかは、たれも知らない。


管理人の方の助けが無ければ、1分後に雛鳥の人生(鳥生)は恐らく終わっていた。


野生動物でも、ほとんどの雛や亀等は、何千、何万匹に一匹しか生き残れないのが、常識だ。


都会のビル砂漠でも、雛鳥だけでは生きていけず、保護がなければ時間の問題だ。


人間の世界から見たら、可哀想に見えるかもしれないが、それが自然の掟なのだろう。


もう、15時間以上経っているので、雛鳥が今も生きているのかどうかは、たれもしらない。


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